2020年9月1日 PJA NEWS)
タイ)体制派議員などが、日本大使館にまた要求!日本の「あの諺」も引用
以下の、2020年8月25日の朝10時30分頃に、タイのバンコクにある日本大使館をタイの体制派議員などが訪れ、日本政府への要望を行ったニュースに続報です。
タイ)体制派議員が日本大使館に要求!パヴィン准教授の引き渡し等
https://pattayaja.com/2020/08/25/13836/
この体制派の議員などのグループは、現在は日本に居住し、京都大学の東南アジア地域研究研究所、政治経済共生研究部門准教授のパヴィン氏を名指しして、同氏が日本からタイの王政などの体制について批判を行っているのを止めさせ、同氏の身柄をタイに送還する事などを要望していました。
昨日の2020年8月31日、バンコクの日本国大使館をタイの体制派の同グループが再度訪れ、要望書を提出しました。
日本のNHKが次の通り伝えています。
NHK)タイ人京大准教授の体制批判 政権支持派が日本に制止を要請(2020年8月31日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200831/k10012592811000.html
タイで反政府デモに参加する若者たちが、王室改革まで求める中、政権を支持し王室を擁護するグループは、日本在住のタイ人の活動家が反政府活動を扇動し、王室を批判する情報を発信しているとして、そうした活動を即座にやめさせるよう日本政府に求める要望書を提出しました。
タイではプラユット政権が、軍の影響力を背景に強権的な姿勢をとっているとして、若者らによる反政府デモが相次ぎ、これまで議論さえタブー視されてきた王室改革まで訴える人たちが出てきています。
これに対し、政権を支持し王室を擁護する側のグループも大規模な集会を開き「王制を破壊するような行為は許さない」などと訴えています。
このグループのメンバーらが31日、バンコクの日本大使館を訪れ、京都大学で教べんをとるタイ人のパビン・チャチャワンポンパン准教授が、うその情報をSNSで発信し、デモを扇動して王室を批判しているとして、そうした活動を即座にやめさせるよう日本政府に求める要望書を大使館の職員に手渡しました。
メンバーの1人は「パビン氏はタイを攻撃し、混乱を生み出すために日本を基地として利用している」と非難しました。
このグループは先週も、パビン氏をタイに強制送還するよう求める要望書を提出しています。
一方、パビン氏は先週、日本外国特派員協会が主催するインターネット上の会見で「若者たちの行動がタイの政治の転換点になる」などと述べ、国際社会に支援を呼びかけています。
報道されている概要は上記の通りです。
京都大学:東南アジア地域研究研究所 政治経済共生研究部門 パヴィン(Pavin)准教授
https://kyoto.cseas.kyoto-u.ac.jp/organization/staff-2/chachavalpongpun-pavin/
現在はタイ国内で民主化要求が活発となる中で、パヴィン氏を担ぐ言論が増えてきており、それを受けて本日の日本大使館へのタイの一部議員による要求が体制派のグループから繰り返し行われました。
大使館への要望書、「無理が通れば道理が引っ込む」を引用するも・・・
昨日の2020年8月31日に在タイ日本国大使館に要求がされた書面は、要求した同グループによると以下のタイ語版と英語版の2種類が提出されたということです。
要望書の内容は、上記のNHK報道の趣旨の通りです。
この書面を日本人の視点で見て興味深いのは、在タイ日本国大使館向けの要望書という事もあって、2ページ目の文章中に”日本にも「無理が通れば道理が引っ込む」という諺がある通り”と書かれているのが印象的な要望書です。
この「無理が通れば道理が引っ込む」という言葉。
日本では、江戸中期に京都から広まったと言われている「いろはかるた」により有名となった言葉です。
「いろはかるた」とは仏教精神を表していると言われている涅槃経のいろはにほへとで始まる
「色は匂へど散りぬるを、我が世誰ぞ常ならむ、有為(うい)の奥山 今日越えて、浅き夢見し酔(ゑ)ひもせず」
という「いろは歌」 47文字と、「京」 を合わせた 48文字を、句の頭において作った短歌の「かるた」です。
発祥は江戸中期の京都と言われており、それが大阪や江戸にも広まって、それぞれで独自のかるたが作られたと考えられています。
この中の「無理が通れば道理が引っ込む」の言葉は江戸のいろはかるたの「む」で使われたもので、道理に合わない事がまかり通れば道理が引っ込んでしまうから、道理に合わない事はしてはいけないという意味で使われる事もあれば、無理が通るようになれば道理は引っ込んでしまうという現実を表す意味で使われる事もある、複数の意味で使われる言葉で、なんとも幕府のおひざ元の江戸らしい言葉です。(*)
ちなみに、京都のいろはかるたの「む」は「昔とった杵柄」や「馬(むま)の耳に風」などが使われ、大阪では「無芸大食」が使われました。
この、江戸のいろはかるたの「む」の「無理が通れば道理が引っ込む」言葉。
今回の要望書では、日本側がパヴィン氏を保護するという事がタイの国内法である不敬罪を取り締まらないことで「道理に合わない」ことであるという主張で使われているのですが、日本からすれば、そもそも不敬罪が存在しない、民主主義国家であり言論の自由のある現代の日本としては、タイの不敬罪に違反しているからといって、それを理由に日本国内で自由な言論を妨害する取り締まりをする方がはるかに「道理に合わない」事になるわけですから、日本側の感覚としては論点が違ってしまっていると感じられる言葉と思います。
尚、一部議員やグループに限らず、タイ政府側からは2014年の軍事クーデター以降のこれまでにも複数回にわたりパヴィン氏の引き渡しが日本政府側に要求されましたが、これに日本政府側が応じた事は一度もありません。
このような形で、タイの体制派のグループからバンコクの在タイ日本大使館への要望が行われています。
(*)記事中で紹介した江戸のいろはかるたの「む」にあたる、「無理が通れば道理が引っ込む」という言葉。
この語源は日本ではなく、中国の前漢時代の学者、政治家の劉向(りゅうきょう)<紀元前77年~紀元前6年>の言葉として、「漢書」(かんじょ)の劉向伝で伝えられた言葉が語源です。中国の三国時代よりも200年弱昔の時代です。
劉向は、日本でも「項羽と劉邦」で有名な劉邦の末弟である楚元王劉交の玄孫で、前漢の宗室(今の言葉でいう皇族)の身分にあった学者で、特に文章の才があるとして見いだされるも、その時代の告発などをして失敗。「誣告」という今で言う「虚偽告訴」だとされるなどして弾劾されたり投獄されたりし、その後は30年以上も重用されることもなく不遇の人生を送り、72歳で没した人物です。
(劉向(りゅうきょう)
<紀元前77年~紀元前6年>)その劉向の言葉が、江戸のいろはかるたの「む」で「無理が通れば道理が引っ込む」として広まったわけですが、江戸幕府のおひざ元では、多くの人々が共感した言葉だったのではないかと思います。
※PJA NEWSでは以下のタイ高速鉄道の過去記事で、パヴィン氏が執筆されたNews Week日本語版の記事を紹介しています。
PJA NEWS)タイ高速鉄道で唯一実現性の高いEEC路線、政治と現実に隔たり
https://pattayaja.com/2018/11/01/759/
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https://pattayaja.com/2020/08/28/13923/
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客室例<17階パタヤ湾ビュー>)
※新型コロナの名称「武漢ウイルス」について
現在、新型コロナの一般的な名称について、米国側は「武漢ウイルス」、中国共産党政府は、影響力の大きいWHOが推奨する「COVID-19」を使っています。
PJA NEWS)新型名称は「武漢ウイルス」か「COVID-19」か?米中せめぎ合い
https://pattayaja.com/2020/03/16/9251/PJA NEWSでは現在、PJA NEWSが引用翻訳している部分を除く、PJA NEWS自身の執筆部分において、米国側の「武漢ウイルス」の表記を採用しています。
そのため引用している他紙報道や政府発表等が、米国側の表記を使っているわけではありません。
※PJAニュースは、パタヤの有力メディアであるThe Pattaya Newsの公式パートナーとして日本語版を配信しています。
The Pattaya News(英語版)
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