2019年3月2日 PJA NEWS)
パタヤターミナル21、障害者駐車場から少女を排除し謝罪(動画付)
昨年オープンしたパタヤの北部、ナクルアにあるターミナル21が、障害者用駐車場を使っていた障害者の少女を排除し、高級車に使わせたことで謝罪しました。
パタヤ現地英字メディアのPattaya Mailが昨日、以下のように伝えています。
Pattaya Mail)Terminal 21 apologizes for prioritizing rich drivers over disabled (2019年3月1日)
Pattaya Mail)ターミナル21、障害者用駐車場に高級車を優遇し謝罪
https://www.pattayamail.com/featured/terminal-21-apologizes-for-prioritizing-rich-drivers-over-disabled-247703
報道によると、障害のある17歳の少女は友人たちと3人でパタヤのターミナル21を訪れ、障害者用の駐車場を使う許可をとってから、その駐車場にサイドカー付きのバイクを止めました。
ところがその後、ターミナル21の警備員などが、その障害者用駐車場から少女のバイクをどけて、高級車の顧客に駐車場を使わせたのです。障害者の少女のバイクは、駐車場の通路に放り出されたままとされていました。
少女たちは、この様子を動画で撮影してFacebookで投稿しました。このFacebookの動画が大きな反響を呼んで、タイ現地で大きなニュースとなりました。
以下は、その動画です。
動画が反響を呼ぶと、この高級車の男性はモールに連絡し、彼女に会うとしていましたが、実際には現れませんでした。
ターミナル21の警備員は、バイクを通路に放り出したりしていない、通路に移動した後に、他の車の駐車場へ入場管理のために急いで持ち場に戻る必要があったので忘れていただけだという話などをしていました。
少女はこれについて、このようなターミナル21のスタッフの話は嘘だ、その時は駐車場で動いている車なんて一台しかなく、それは放り出されたバイクで動けなくなってしまった車だけだったと語っています。
本事件の反響を受けて、ターミナル21と高級車の運転者は、少女に謝罪をしました。
少女は「障害者も、皆さんと同じ”心”をもった人間なのだという事をわかってほしい」と語っています。
有識者は、障害者用の駐車場は、障害者は入口の近くで乗り降りすることが必要で、また車いすなどが使えるよう広い場所が必要なことに対応するためのもので、その必要性の理解が広がらなければいけないこと、当局は、このような事件を起こす事がないよう、これを他が使う事を違法とする法整備をしなければいけないと語っています。
上記が、報道されている概要です。
(Facebookに投稿された動画より)
Terminal21は北パタヤにオープンしたばかりのショッピングモールですが、このような事件があると、イメージが悪くなってしまいかねません。
貧富の差の大きいタイでは、富裕層が駐車場だけでなく、すべての面で露骨に優遇される、逆に言えば貧乏な層は差別されるのは「いつものこと」で、このような事件は頻発していますが、Facebookなどで広まる事で、これについての批判が起きているケースが増加しています。
タイの場合は貧富の差が大きい上に、社会における富の再配分が少ないので、実力や能力を培っていなくても、生まれた家が富裕層だというだけで富裕層となっている人間も多く、中世の貴族社会のように「生まれ」で社会的な階級や貧富の差が固定化してしまっており、それが差別的な行動や言動を生みやすくなっているいる傾向があります。
「非人を差別する者こそ、真の意味での非人である」 (親鸞) (*)
日本の鎌倉時代の、浄土真宗の親鸞の言葉を思い出します。
タイにいる外国人としては、このような議論によって、そもそもの社会における「機会の均等」や富の再配分なども進んで行ってくれたらと思います。
(*)親鸞<Wikipedia>
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%AA%E9%B8%9E
参考過去記事)
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