タイ総選挙:選挙管理委、親軍政党は「問題無し」
タイ総選挙関連のニュースです。
タイ選挙管理員会は、親軍政党でプラユット首相を単独の次期首相とするPPRP(バランプラチャーラット党、国民国家の力党)が昨年12月19日に開いた大規模な政党の宴会について、違法性を指摘された事を受けて調査をしていましたが、これについて「問題なし」とする結論を出し、反響が広がっています。
タイ大手英字メディアのBangkokPostが今朝、以下のように伝えています。
BangkokPost)Anger as PPRP let off hook (2019年3月13日)
BangkokPost)PPRP(バランプラチャーラット党)への批判は乗り越えられた
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1643404/anger-as-pprp-let-off-hook
報道によると昨年12月19日に親軍政党のPPRP(バランプラチャーラット党)は政党のパーティを開きましたが、このパーティでは1テーブルあたり300万バーツ(約一千万円)の費用を参加者は支払っており、これを200テーブルという規模で実施しましたので、その総額は6憶バーツ(約20億円)に達したと見られています。
テーブルでは高級料理が並びましたが、この高額な政党パーティーについてタイ世論からの批判があがり、違法性を指摘する告発がタイの選挙管理委員会に出されています。
これについてタイの選挙管理員会の事務総長は、政党への寄付は法律上、外国の法人や外国人個人からの寄付を政党が受け取る事は違法とされているが、調査した所、このパーティーでは40の法人と84の個人により政党への寄付がされていたが、その中に外国の法人や外国人個人はいなかったので、違法性はない、よってPPRP党に解散を求める理由はないと結論付けたことを発表しました。
これについて、批評する側からは、外国人からの寄付がされたかどうかだけではなく、他にも多くの違法性の指摘があり、それが選挙管理委員会で審議されていない点が指摘されています。
選挙管理委員会の事務総長は、他にも告発されている問題があり、調査を継続しているとしました。他の告発には、PPRP(バランプラチャーラット党)の執行部にいる元閣僚による権利濫用を含むとしています。
(プラユット首相 写真:タイ首相府)
先日はタクシン派のタイラクサチャート党が、選挙管理委員会が解党命令をタイの憲法裁判所に求めて解党命令が出た直後ですから、それとの比較で反響が大きくなっており、同BangkokPostの報道では昨日に以下の記事も出ており、連日の報道がされています。
BangkokPost)EC: No foreign donors, no grounds to dissolve PPRP (2019年3月12日)
BangkokPost)選挙管理委、外国人寄付無し、PPRPに解党を求める根拠は無い
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1643252/
日本でいうと、森友・加計問題の報道などを思い出すような報道ですね。
外国人としては、報道されている範疇で見る限りでは「王族を選挙に利用した」という明確な理由があるタイラクサチャート党の折と比べると、この20億円のパーティーの「何が法的に問題なのか、その上でその証拠は何か」という、そのあたりのツメが甘い印象は受けます。
そうなると違法性を審議する側も、違法だと断定するには具体的な証拠がないといけないため、断定しにくいという事情もあるのではないでしょうか。
一方で、1テーブルあたりで1000万円を集め、たった一回のパーティーで合計20億円を集める与党の政党パーティーの集金がすごすぎて、国民感情としては批判されるのは、感情論としてよくわかるものです。
実際にBangkokPostの記事を見ても、写真の下のキャプションなどに「参加者は豪華な料理よりも、政治的な影響力のためにお金を払った」と書かれており、このあたりの感情が伝わってくる内容となっています。
プラユット首相は一昨日の3月11日、Facebookで以下のように粗食をアピールする投稿をしていました。
タイに居る外国人としては、民主主義国の政治家である以上、国民感情をも理解して、本当に国民に寄り添って、国民のために尽力できる政治家と国民から評されるようになって欲しいと思います。
「美味しいものは、高価なものでなくて良い」というコメントが添えられています。
本日(2019年3月13日)先ほどのプラユット首相のFacebookへの投稿。
コーンケンへの移動の様子
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