タイ政局)プラユット首相「閣僚メンバーは理想通りにはならない」
以下の、タイのプラユット首相が次期首相に選出された、タイ政局のニュースに続報です。
PJA NEWS)タイ政局)次期首相にプラユット首相続投、議論は長時間に(2019年6月6日)
https://pattayaja.com/2019/06/06/4937/
タイのプラユット首相は近日中に発表される予定の次期閣僚のメンバーについて、「理想通りにはならない」事を語りました。
タイ大手英字メディアのBangkokPostが本日の2019年6月19日の朝に、次のようの報じています。
BangkokPost)Cabinet not ideal, PM says (2019年6月19日)
BangkokPost)閣僚は理想通りにはならない、首相語る
https://www.bangkokpost.com/thailand/politics/1697496/cabinet-not-ideal-pm-says
(タイのプラユット首相
写真:タイ首相府)
次期首相に選出されたタイのプラユット首相は現在、政権を担う閣僚の選定を進めています。
上記のBangkokPostの報道によるとプラユット首相はこれについて、次期閣僚の面々は理想的なものとはならないと認めています。
35人の閣僚のメンバーは最終案にまで至っており、実際のリストは月内には承認のために提出される予定です。そのために現在、法的なチェックなどを進めています。
しかしながらプラユット首相は、現状の内閣のリストは理想的ではない内容となっており、その後の内閣改造なども含めて変更される可能性は十分にあり、緊張感を持ち続ける必要があるとしています。
プラユット首相は「選挙結果で選ばれた人間が来ているわけだから、法律に基づく資格の有無以外に、誰かを拒否する権限などありません。」とコメントしています。
報道されている概要は上記の通りですが、報道では他に、候補者の中には親族を省庁のポストにあてかねないケースや、議員法において違法となるメディア関連株を所有していたと訴えられており、これが認められれば議員資格停止や剥奪などになりかねないケースがある事を伝えています。
プラユット首相が続投となった次期政権は以下の過去記事の通り、タイ民主党やタイ誇り党(ブーンジャイタイ党)など複数の他の政党と連立を組んで、定数500の下院での過半数250を少し超える254議席を維持する連立政権です。
PJA NEWS)タイ政局)タイ民主党が軍政派連立!軍政派は下院過半数獲得 (2019年6月5日)
https://pattayaja.com/2019/06/05/4932/
タイ下院(定数500)の軍政派と民主派連合の議席数
(2019年6月4日付けBangkokPostより)軍政派 (254議席)
<内訳>
バランプラチャーラット党(国民国家の力党) 116
タイ民主党 53
ブーンジャイタイ党(タイ誇り党) 51
他、下院議員数10名以下の政党の合計 34民主派連合 (246議席)
<内訳>
プアタイ党(タイ貢献党) 136
新しい未来党 81 <ただしタナトン党首は議員資格停止中>
他、下院議員数10名以下の政党の合計 29
このような政権では各政党の思惑は大きく異なる方が一般的で、舵取りは難しい局面が多くなると考えられます。
結果、次期政権は首相は同じプラユット首相でも、軍政の折のように強権で課題を解決できる状況とは、大きく変わってくるでしょう。
タイには5400社(*)を超える日本企業が進出していますが、その事業にも大きな影響を与えるタイの政局がどのようになるか、今後の新政権の推移に注目が集まっています。
(*)進出企業数の数字はいろいろとありますが、上記記事の5400社の数字は、菅内閣官房長官の2018年7月18日、第4回日タイハイレベル合同委員会の以下の発言より引用しました。
「5,400社を超える日本企業がタイに進出しており,その主要な進出先でもある東部経済回廊(EEC)の開発は,タイの産業高度化の鍵を握っており,我が国としても協力を推進していきたく,また,引き続き,タイが重視するインフラ整備を我が国のインフラ輸出支援とリンクさせ,タイの産業高度化を後押ししていく。」
引用元:外務省「菅内閣官房長官とソムキット・タイ王国副首相との会談」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/s_sa/sea1/th/page4_004221.html
菅義偉官房長官
(写真:自由民主党資料)
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